働き方改革関連法の主な内容と施行時期について

今年の4月からいよいよ働き方改革が本格的にスタートします。

「働き方改革」と言っても色々な内容が含まれ、施行時期も内容や大企業と中小企業で異なります。

そこで、この記事では働き方改革の主な内容と施行時期についてまとめてみたいと思います。


まず、働き方改革の目的は次の2点です。各内容に注目しがちですが、やはり目的は大切だと思います。

① 労働時間法制の見直し:「働き過ぎ」を防ぎながら「ワークライフバランス」と「多様で柔軟な働き方」を実現する。

② 雇用形態に関わらない公正な待遇の確保:正規雇用労働者と非正規雇用労働者との不合理な待遇差をなくす。


次に、「労働時間法制の見直し」と「雇用形態に関わらない公正な待遇の確保」の各内容と各施行時期は以下の表のようになっています。

よく報道もされる「残業時間の上限規制」は大企業は今年の4月から中小企業は来年の4月から施行になります。

大企業はほとんどの内容が今年から施行になりますが、中小企業にとっては、今年は特に「年次有給休暇の取得義務化」についての対策が必要になってくると思います。

また、いわゆる「同一労働同一賃金」は大企業は来年の4月から中小企業は再来年の4月からの施行です。

「年次有給休暇の取得義務化」については、また別の記事でまとめたいと思います。


◎労働時間法制の見直し

内容 改正概要 施行時期
(大企業)
施行時期
(中小企業)
残業時間の上限規制 法律で残業時間の上限を定め、これを超える残業はできなくなる 2019年4月 2020年4月
年次有給休暇の取得義務化 年5日の年次有給休暇の取得を企業に義務づける 2019年4月 2019年4月
勤務間インターバル制度の導入促進(努力義務) 勤務間インターバル制度の導入を企業の努力義務とすることで、働く方々の十分な生活時間や睡眠時間を確保する 2019年4月 2019年4月
労働時間の客観的把握の義務化 健康管理の観点から、裁量労働制が適用される人や管理監督者も含め、すべての人の労働時間の状況が客観的な方法その他適切な方法で把握されるよう法律で義務づける 2019年4月 2019年4月
フレックスタイム制度の拡充 労働時間の清算期間を3か月にする 2019年4月 2019年4月
高度プロフェッショナル制度の新設 自律的で創造的な働き方を希望する方々が、高い収入を確保しながら、メリハリのある働き方をできるよう、本人の希望に応じた自由な働き方の選択肢を用意する 2019年4月 2019年4月
産業医・産業保険機能の強化 ① 産業医の活動環境の整備 ② 労働者に対する健康相談の体制整備、労働者の健康情報の適正な取扱いルールの推進 2019年4月 2019年4月
割増賃金率の引上げ 月60時間超の残業割増賃金率を大企業、中小企業ともに50%以上とする 施行済 2023年4月

◎雇用形態に関わらない公正な待遇の確保

内容 改正概要 施行時期
(大企業)
施行時期
(中小企業)
同一労働同一賃金
① 不合理な待遇差をなくすための規定の整備
② 労働者に対する、待遇に関する説明義務の強化
③ 行政による事業主への助言・指導等や行政ADRの規定を整備する
2020年4月 2021年4月
2019年01月15日